今、世間はいわゆる年度末のようだ。そして異動時期のようでもある。いつが忙しいんだか暇なんだかよくわからないけれども、ともかく世の中には繁忙閑散の波がある。そこで、弁護士にもそんな波があるのかどうか、これを私の主観でお話ししてみよう。念頭に置いているのは、東京の「町弁」(まちべん。町医者のごとく少人数の個人事務所で民事刑事全般広く取り扱っている弁護士)だ。 なんといっても3月4月と8月 3月下旬から4月上旬あたりにかけて裁判所の異動時期だ。また、8月ころは裁判官が長めの夏休みをとる(裁判所が閉まるわけではない。)。このため、裁判の期日があまり入らず、時間の余裕ができやすい。 裁判の期日が入らないとなぜ時間の余裕ができるかというと、こういうことだ。弁護士の忙しさって、実は「自ら裁判所まで行かなければならない」ことが一つの要因になっている。民事事件の弁論期日は、だいたい数分程度で終わってしまうこ