『お母さん、娘をやめていいですか?』(以下、オカムス表記)は、今年NHKで放送された井上由美子脚本のドラマで、娘を支配し、依存する毒親を描き話題となった作品で、『過保護のカホコ』(以下、カホコ)と共通点は多い。しかし、描かれ方は正反対的で『オカムス』が狂気を帯びた深刻なサスペンスである一方、『カホコ』はコメディ調のホームドラマである。 加穂子の家族や親族の家庭のゴタゴタは、幼少期に母親が出ていった麦野初からしたら「心温まるエピソード」であるとして、あくまで恵まれた家庭として位置付けており、これが、遊川さんが込めた願いの核であり、そういったメッセージはドラマの中で殆ど台詞で説明されている。人間は皆、欠点があるという前提に立ち、不幸にならない、しないために何ができるのか考え、心のドアを開ける鍵となる存在の必要性を説いている。最初は過保護であることが麦野初を通して否定的に語られていたが、最終的に
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