軽妙な語り口と白いスーツ姿で、テレビなどのマスコミにたびたび登場していた野々垣容疑者。老舗の信用をうたい、巧みな言葉で顧客から出資を募っていた。 「ダイヤモンド投資の出資枠が急きょ空きました」 複数の出資者によると、2009年夏、野々垣容疑者から電子メールが頻繁に届くようになった。 「40日間で配当は15%」「創業60年の信用があり安全」 野々垣容疑者はそう請け合った。父親である社長の氏名が書かれて社印が押された保証書を用意していた。野々垣容疑者は地元の有名高校を卒業し、CMやテレビ番組に出演。地元政財界に顔が利いた。ある出資者は「知名度が高く、人脈が広いため、投資話を信じ切ってしまった」と振り返る。