文房具店をフラフラ見て歩くのは書店で過ごす時間に似ている。刺激的で、アイデアをもらう時間である。 だが、文房具店をゆっくり見て回る時間はあまり多くない。仕事の合間に必要な文房具を買うケースはとくに顕著で、あわただしく必要なものをそろえ、「もっとゆっくり見たいのに」と後ろ髪を引かれながら店を後にしなければならない。 しかし、PRESS MANと出会ったのはそんな「あわただしさ」のおかげである。 その日、仕事の合間にいくつかの文具類を買い、最後に「そうだ、シャーペンも古くなっていた」とあわてて購入品に加えたのがPRESS MANだったのだ。 言ってみれば、「間違って買った」商品。“普通の”シャーペンを買うはずだったのだから。 しかし、偶然出会ったPRESS MANの書き味には、本当に驚かされた。私が知っているシャープペンシルとはまったく違う。芯がやわらかいためか、力を入れなくてもサラサラと書け