――社名にもなっている「グリコ」は、「グリコーゲン」からとったと聞きました。そもそもなんですけど、グリコーゲンって何なのでしょうか? 栗木: ハマグリやカキのお吸い物って、きれいな乳白色に濁っていますよね。あれはグリコーゲンが溶けている色なんです。お菓子のグリコの中には、カキから抽出したグリコーゲンが入っています。 ――カキ……そういえば、グリコの創業エピソードもカキの話ですよね。創業者の江崎利一さんが、漁師が捨てていたカキのむき身の煮汁を、病気(チフス)の息子に飲ませたら元気になった。カキの煮汁にはグリコーゲンがたくさん含まれている。そこでキャラメルにグリコーゲンを入れて『栄養菓子グリコ』が誕生した、と。大正初期の話と聞いていますが、平成の今でも、お菓子のグリコにはカキから取ったグリコーゲンが入っているんですか? 栗木: そう、今のグリコにも、カキから取ったグリコーゲンが入っているんです