愛知県一宮市開明の交差点で2月、主婦の杉本久子さん(82)が車にはねられ、亡くなった。夫の勇さん(当時79)も4年前、この交差点で事故に遭い、命を落としていた。一角には夫婦が毎日のようにお参りしていた地蔵堂。悲劇をなくそうと、市は今月中にも交差点内の路面をえんじ色に塗装する。 2月15日正午前、久子さんは自転車で信号のない交差点に入り、自営業の男性(34)が運転する車両運搬車と衝突した。久子さんの長男で会社員の義尚さん(58)は妻から電話を受けた。「落ち着いて聞いてよ。お母さんがはねられて。お地蔵さんの交差点なの……」。事故から1時間半後、頭を強く打った久子さんは搬送先の病院で死亡が確認された。 2010年11月25日夕、勇さんと久子さんは自宅から約150メートルの地蔵堂へ歩いて向かっていた。久子さんが交差点を渡った時、後ろから「ドーン」と大きな音が聞こえた。振り返ると、勇さんが車にはね飛