復元整備計画を巡り文化庁から改善を求められている熊本城(4日午前、熊本市中央区で、読売ヘリから)=片岡航希撮影 熊本市が進める国特別史跡・熊本城の復元整備が難航している。 史跡の研究組織が不備なまま復元を進めたことに対し、文化庁が「遺構の調査体制が不十分で、史跡保護の視点に欠ける」と厳しく指摘し、改善しなければ復元を認めない方針を示しているためだ。市は急きょ、研究組織の設置を決めたが、具体的な人選はこれからで、4年後の完了を目指した計画が遅れる可能性も出ている。 整備は1997年度に第1期計画が策定され、築城400年となる2007年度までに、本丸御殿大広間や南大手門など七つの構造物を約89億円をかけて復元。現在の第2期計画(08~17年度)では、天守閣西側にある平左衛門丸塀(へいざえもんまるべい)や馬具(ばぐ)櫓(やぐら)の復元に着手している。 しかし、文化庁は2月、遺構などの歴史的評価を