2011年に26歳で亡くなった堺市の市立中学校の教諭について、地方公務員災害補償基金が公務災害(労災)による死亡と認定したことがわかった。「熱血先生」と慕われ、市教育委員会の教員募集ポスターのモデルにもなった。強い使命感の一方、授業や部活指導などに追われ、体がむしばまれたとみられる。多くの新人教諭らが教壇に立つ春。市教委は再発防止に力を入れる。 亡くなったのは理科教諭だった前田大仁(ひろひと)さん。教諭2年目の11年6月、出勤前に倒れた。死因は心臓の急激な機能低下だった。 10年春に赴任し、1年目は1年生、2年目は2年生を担任し、女子バレー部の顧問も務めていた。 同基金は昨年11月に仕事が原因の過労死と認定した。資料によると、同僚教員の証言などを元に推計した前田さんの死亡直前3カ月の校内での残業時間は月61~71時間だった。国の過労死認定基準(2カ月以上にわたり月平均80時間以上)を下回る