BRICsなどの新興国市場にいかに入り込むかが先進国の製造業にとって重要な課題であることは言うまでもないが,新興国側にとってみれば技術導入はしたいものの自国産業の育成を優先したいために,軋轢をまねくことも多い。政治的手法などで無理やり入り込もうとしても,「外圧」と映ってしまえば表面的・短期的にはともかく新興国国民のナショナリスティックな反発を招いて中長期的には本来の目的を達成できない。 では,どうしたらよいのか。その解答の一つが,「外圧」ではなく「内圧」のメカニズムを使うことにある,という話を最近聴いた。「内圧」という言葉が筆者には新鮮であった。 こう語ったのは,立命館大学イノベーションリサーチセンター特任研究員である立本博文氏。この1月13日に,東京大学ものづくり経営研究センターが主催する「ものづくり寄席」で「高座」に立った。「ものづくり寄席」とは,経営学者たちがその研究成果を分かりやす
![「内圧」をどう使う](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bed39b5962a5d552c95b6d796db8f55e72d32943/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fimages%2Fn%2Fxtech%2F2020%2Fogp_nikkeixtech_hexagon.jpg%3F20220512)