『かぐや姫の物語』について「物語とは主人公の成長を描くもの」という観点からエントリを書いてみたので、これを補助線に、長年『天空の城ラピュタ』について持っている持論について書いてみたい。(ネタバレあり) 『天空の城ラピュタ』は宮﨑駿の作品の中で一番好きだ。最高傑作だと思っている。と同時に、作劇としてかなり興味深い手法を取っている。 主人公はシータとパズーという少女と少年。だが、作品をよく見てみると彼らは成長していない。「成長していない」と書くとなんだかネガティブに響くが、要は登場時から価値観が確立した人物、成熟した大人として登場するので、成長する必要があまりないのだ。 クライマックスを見てみよう。パズーは身を捨ててムスカとの決闘に挑む。死を覚悟してシータを助けに行くという勇敢な行動だが、よくよく考えてみるとパズーは序盤から同じような行動を取り続けている。空から降ってきたシータを庇護し、海賊や
![『天空の城ラピュタ』とは誰のどんな物語か | 新刊書籍・新作映画を語る](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/4ded9222cc2119965ebd573c1fe335721b4ae433/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fmccammon.info%2Fwp-content%2Fplugins%2Fall-in-one-seo-pack%2Fimages%2Fdefault-user-image.png)