リアルかつ迫力ある映像が高い評価を受け、アカデミー賞7部門を受賞した映画「ゼロ・グラビティ」。原題が「Gravity」だったのに変更された邦題も物議を醸したが、その内容には宇宙ファンから数多くのツッコミが入った。日本の宇宙開発に実績を持つ民間企業「宇宙技術開発」(SED)はこのほど、プロから見た同作品の「見方」をWebサイトで公開した。 【編集部から注意】以下の記事とリンク先は重大なネタバレを含みます。 同社が公開した「映画ゼロ・グラビティについて」では、作中の疑問点など30項目について解説している。 作品のプロットの根幹に関わるのは「軌道傾斜角の違い」だ。作中の主人公はハッブル宇宙望遠鏡(HST)を修理していたスペースシャトルから国際宇宙ステーション(ISS)へ、さらに中国の宇宙ステーション「天宮」へと移動する。だが、それぞれが周回する軌道の傾斜角は大きく異なる。 解説によると、「軌道傾