2005年の宝塚線(福知山線)脱線事故後にJR西日本が設置した安全研究所(大阪市阿倍野区)の研究成果が、実際の車両に生かされ始めた。「人間にミスは起きる」を前提に、ヒューマンファクター(人的要因)に特化した研究を始めて8年余り。今月からは当時の事故担当だった元官僚を所長に招き、さらなる安全性の向上を目指す。 来春から広島地区を走る新しい近郊型電車「227系」。運転台には液晶画面が二つある。速度計や圧力計などが表示されるが、安全研究所が大きさや配置を決めた。現役運転士の協力を得て研究した成果だ。 運転士の視線の動きを検証したところ、車外と速度計を見るのが大半で、電流計や圧力計はあまり見ないことがわかった。タブレット端末を段ボールにはめた模擬運転台を試作し、様々な大きさや配置、配色の計器表示から、運転士が見やすいものを選んだという。 4月からは、新幹線の保守用車両190台に新しい運転支援装置を