東京メトロ・丸ノ内線の方南町駅(東京都杉並区)。エスカレーターやエレベーターがまだ設置されていないこの駅の階段を登ると、一人のヒーローが立っていた。グリーンの戦隊もの衣装に身を包んだ、その名も「ベビーカーおろすんジャー」。日々、改札口までの階段を昇り降りして、ベビーカーを始め、妊婦さんやお年寄りの荷物などを運んでいる。正義の味方ならぬ、街の人たちの味方なのだ。 ある土曜日、出動したベビーカーおろすんジャーがいつものように方南町駅東口に立っていると、ベビーカーを押した女性が出現。さっそく女性に声をかけて、改札口までベビーカーを軽々と運ぶ。再び地上へ戻ると、今度は高齢の女性3人組が通りかかった。そのうちの一人が「彼はベビーカーおろすんジャーっていって、この街の人気者なのよ!」と他の女性たちに説明。彼と握手をして笑いながら去っていった。この不思議なヒーローが2013年5月、方南町駅に出現してから