1932年にカナダのオタワで帰結されたオタワ協定により、ニュージーランドの農産品はイギリス市場を中心に世界各地で高い地位を確立し、国民生活は高い水準で推移した。第二次世界大戦後は、世界的な食糧需要に対応し、酪農品の輸出が好調に成長した。輸出の拡大に伴い貿易収支(財政)に恵まれたニュージーランドは、世界に先駆け高福祉国家となる。 しかし1970年代に入ると状況は一変し、1973年にイギリスが欧州共同体へ加盟すると、その特権的地位は消滅する。ニュージーランドの輸出産業は縮小し、さらにオイルショックによる原油価格の上昇に痛手を受け貿易収支は悪化。ニュージーランド経済は一気に破綻状態に陥る。1973年にOECDへ加盟するも国民生活は低下し、財政赤字は急増した。 この経済状況に当時のロバート・マルドゥーン首相は、海外からの借金による公共投資を行い、水力発電所や製鉄所の建設をするも予測した成果は達成で