まもなく40歳になるヨシムラさん(仮名)は、中学時代、生徒会や放送委員を務めるほどの目立ちたがり屋で、将来、テレビ局のアナウンサーか政治家を目指していた。そんな性格から、当時は、生徒会の先輩に対しても、物おじせずに意見を言ってしまうところがあった。 ある日、ヨシムラさんは、先輩から体育館の裏に呼び出されて、「おまえは、後輩のくせに生意気だ!」と“焼き”を入れられた。それを機に、彼はどもって声が出なくなったり、人前に出ると緊張して手に汗をかいたり、動悸がするようになった。 しかし、学校の成績は良かったため、都内の一流私立大学を難なく卒業した。その後、司法試験を受け続けたものの、なかなか合格できずにいた。 生活に支障をきたすようになったのは、30歳のときに学習塾の講師になってからのこと。とくに父兄を前にすると、どもって声が出なくなり、手に汗をかいた。自分のパフォーマンスを最大限に引き出すことが