事件当時「福島県立大野病院」は、病床数約150床程度で地域医療病院として位置し、標榜科は「内科」「外科」「産婦人科」「整形外科」「麻酔科」であった。産婦人科は常勤医師1人体制であった。 輸血製剤は病院内に常備しておらず、輸血対応については、必要時に約50km離れた「福島県いわき赤十字血液センター」から1時間以上かけて輸送されていた。 本件医師は、福島県立医科大学産婦人科の医局に所属し、事件と同じ2004年4月に福島県立大野病院に赴任してきており、事件当時の経験年数は8年7か月であった。 事件当時29歳の妊婦は、3年前に第一子を「双葉厚生病院」で帝王切開にて出産している。2004年5月に福島県立大野病院で第二子妊娠を診断され、以後同院に通院管理となっていた。同年10月の超音波検査で「全前置胎盤」と診断。同年11月に切迫早産もあり同院に入院管理となった。手術6日前に本件医師は妊婦と夫に対して、