愛知県の名古屋港周辺が、有毒な外来種「ヒアリ」の脅威にさらされている。大量のヒアリを産む「女王アリ」が多数見つかり、周辺地域に飛んで繁殖地を広げる恐れがあるためで、関係者は危機感を強めている。 愛知県飛島村の名古屋港飛島埠頭(ふとう)に昨年11月25日朝、作業服とヘルメット姿の約10人が集まった。ヒアリを緊急調査する環境省や名古屋港管理組合の職員らだ。ヒアリのコロニー(集団)が見つかった場所の周辺にヒアリが好む油菓子を6メートル間隔で置き、30分後にヒアリが集まっているかどうかを調べた。この日は約3時間調査したもののヒアリは見つからなかったが、環境省中部地方環境事務所の遠藤洋一・野生生物課長補佐は「多くの女王アリが見つかったことで、これまでとはフェーズが変わったという危機感は関係機関で共有している」と話す。 ヒアリは非常に攻撃的で、人が刺されると激しく痛み、死ぬ場合もある。原産地の南米では