「獣医師の行動治療って何? トレーナーさんと何が違うの?」 そう思われる方がほとんどかもしれない。 犬や猫の行動治療は比較的新しい分野なので、知らない人は結構多い。獣医師の間でも、最近ようやく知られるようになってきたとはいえ、具体的にどんなことをするのかは知らないという獣医師はまだまだいるというのが現状。 犬や猫の問題行動に取り組むという意味では、トレーナーさんも獣医師も根本は同じだけど、獣医師の場合は、飼い主さんの主訴である問題行動を「診断」し、「治療方針」を決めるという、内科や外科の病気を診る時と基本的には同じ流れを取る。 まず、犬や猫の問題行動の相談を受けた際、獣医師は、その背景に身体的な疾患がないかどうかを考える。必要に応じて、身体検査、血液検査、尿検査、便検査、ホルモン検査、レントゲン検査、超音波検査、MRI検査、脳波測定検査などを行うことがある。 例えば、脳神経系に何か障害があ