フンコロガシの成虫は、糞の液体部分を好んで食す。(Photograph by Karine Aigner, National Geographic Creative) 世の中にはおいしいものがたくさんあるというのに、なぜわざわざそんなものを食べるのか。 この記事では、フェイスブックを通じて寄せられた「なぜ動物は自分の糞を食べるのか」という質問に答えてみたい。 動物が自分の、あるいは他の動物の排泄物を食べることを「食糞」という。糞を食べる動物としてはフンコロガシ、ウサギ、チンパンジーなどがおり、家庭犬の中にも糞を食べるものがいる。こうした動物が食糞をする理由は、たいていの場合、そこに未消化の食べ物が含まれており、大切な栄養素を無駄にしないためなのだそうだ。 「とくにおもしろいのは、ウサギ類の食糞です」と語るのは、米インディアナ大学の人類学者ケビン・ハート氏だ。 「ウサギは代謝が高く内臓が小さ