連載第1回で、「ソーシャルインフルエンス」の基本的な考え方は理解いただいただろうか。第2回からは、実際に世の中で起こっている事例や切り口で、より具体的に解説してみよう。実際、僕たちのまわりには、自分ゴト化や仲間ゴト化、世の中ゴト化がうまく起せていないがために、本来の商品価値が伝わっていなかったり、販売実績やシェアが上がらないという残念な状況にあるモノが少なくない。今回とり上げる「食洗機(食器洗い乾燥機)」もその1つだ。 (この連載は池田紀行と本田哲也が担当。今回は本田が担当しました) 意外に思われるかもしれないが、日本で初めて食洗機が発売されたのは1960年。読者の皆さんと同性代、もしくは先輩世代だ。それから50年の時を経て、現在の食洗機の普及率は約25%(2010年)。およそ1200万台が日本の家庭に普及した。しかし、これは同時期に普及したほかの家電、例えば温水洗浄便座(30年で約70%