4月24日の朝。前日の夜にワインを飲んでもいないのに、二日酔いを思わせる頭痛で目が覚めた。曇った空もさらなる苦痛を与える。そう、私の国フランスでは、前日、大統領選挙の第1回の投票日で、その夜結果が発表された。その結果を見た瞬間、私は大絶望し、今すぐフランスを出たいという感情に襲われた。 ご存じのように、1回目の選挙で選ばれたのは、エマニュエル・マクロン氏とマリーヌ・ルペン氏だ。ルペン氏といえば、2002年の選挙あたりから頭角を現し始め、支持率を伸ばしている極右政党「国民戦線」の代表(現在は党首を退いている)。一方、マクロン氏は、2年前に突如として政治の表舞台に現れ、経済産業デジタル相を務めた後、瞬く間に注目を集めた、中道政治運動「前進!」所属の若手政治家だ。 ハッキリ言ってろくな候補者がいない ぶっちゃけた話、今回の選挙までは、私は政治とあまり縁がなかった。18世紀に起きたフランス革命のお