厚生労働省は18日、染料や顔料のもとになる化学物質を製造する約40人規模の工場で、退職者1人を含む男性労働者5人が相次いでぼうこうがんを発症していたと発表した。 5人は発がん性が指摘される化学物質「芳香族アミン」の一種を扱っており、同省は業界団体に換気やマスクの着用など暴露防止対策の徹底を要請した。 厚労省は「調査中のため特定を避けたい」として、工場名や所在地を明らかにしていない。 厚労省によると、5人は40代前半~50代後半。現職4人は同工場に18~24年勤務しており、昨年2月から今年11月に発症したという。 工場では発がん性が指摘される「オルト―トルイジン」など芳香族アミンの5種類を原料として扱っていた。5人はこれら液体の原料を混ぜる作業を担当しており、同物質で労働者のがん発症が確認されたのは国内初という。