誰もが一度は、「こんな授業が社会に出てから一体何の役に立つのか」と疑問に思ったことがあるだろう。たとえば、簡単な計算ならば日常生活で使いそうだが、「数学」の知識は社会とどう関わっているのか。文系の人間にとっては、三角関数にしろ、√(平方根)にせよ、一体世の中でどう役立てられているのか、とんと検討もつかない。 篠崎菜穂子著、日本数学検定協会・監修の『はたらく数学 25の「仕事」でわかる、数学の本当の使われ方』(日本実業出版社)は、美容師、パティシエ、パイロット、不動産販売員などさまざまな職業のエピソードを通して、日常に数学がどのように使われているかに触れている。そのなかから、いくつかの数学の使われ方を紹介するとしよう。 パーマにも、髪を切るのにも計算が必要…奥深い美容師の計算術 美容師の施術は、センスがモノをいうもの…と思いがちだが、どうやら数学が必要になる場面も多いらしい。たとえば、パーマ