取り調べの立ち会いも議論の対象になった法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」で、法曹ではない、民間出身の委員として問題提起を続けた映画監督・周防正行さん。裁判員裁判事件などに限り取り調べの全過程を録音録画(可視化)することを求めるなどの答申案がまとまってから間もなく10年、いまの刑事司法はどう映るのか。 ――2011年に始まった特別部会では、村木厚子さんらとともに取り調べの録音録画の対象を「全事件・全過程にすべきだ」などと主張されていました。 逮捕前の取り調べや、被害者や参考人も含めた全ての取り調べを対象にすべきだと考えました。逮捕後だけ可視化すれば、逮捕前に自白をとろうとするだけです。参考人らの供述でも、きちんととられたものか検証するには可視化は必要です。 ――しかし、捜査機関側からの反発もあり、実現しませんでした。 大阪地検の証拠改ざん事件(10年発覚)で、法務省側は「特捜部がなく
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