日米両政府は10日、カナダ・モントリオールで開かれた国際民間航空機関(ICAO)の理事会で、事務局長に対し、自国の飛行情報区の外側を飛行する他国の民間航空機の運航を制限することに疑問を投げかける文書を提出した。 中国が東シナ海に設定した防空識別圏(ADIZ)を念頭に置いたものだ。 文書の提出は採決の対象にならないが、理事国36か国のうち、英国、ドイツ、韓国など5か国が日米への支持を表明。中国、ロシアなど3か国が「ICAOで取り上げる内容ではない」と不支持を表明した。 日米両国の意見表明は、中国の一方的なADIZ設定の不当性を国際社会に浸透させ、中国をけん制する狙いがある。欧米諸国などが支持を表明したことで、日本政府は「中国を抑止する一定の効果がある」(外務省幹部)としている。