2021年度の企業の内部留保が、金融・保険業をのぞく全業種で初めて500兆円を超えた。コロナ禍で落ち込んだ経済活動が回復し、企業の業績が好調だった。この10年でみた内部留保の増加率は約8割にのぼる。一方、設備投資や人件費の増加は鈍く、景気の好循環に向けた課題となっている。 【画像】アベノミクスで変わった日本経済 上がった株価、膨らんだ国債残高 財務省が1日発表した法人企業統計によると、企業の内部留保は前年度比6・6%増の516兆4750億円で、17年度以来の伸び率だった。10年連続で過去最高を更新し、11年度からの増加率は約8割にのぼる。 業種別では、製造業が10・9%増で、非製造業は4・4%増だった。規模別では資本金10億円以上で5・9%増だったのに対し、1千万円未満は3・6%減。円安の恩恵を受けやすい大企業製造業を中心に、内部留保が積み上がった。