大阪市の名建築として親しまれてきた大丸心斎橋店の本館(地下2階地上8階)が30日夜、営業を終えた。米国の建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズの代表作だ。売り納めセールもあって、多くの買い物客でにぎわった。本館をとじた後も、北館と南館で営業を続ける。 運営するJフロントリテイリングは、耐震性を上げるため約380億円かけて建て替える。2019年秋に営業を再開する予定だ。新しい本館は地下3階地上11階で、高さは約60メートルといまより約20メートル高くなる。 本館は大正モダンの名建築と評価されている。Jフロントは外壁の一部を残し、幾何学模様が特徴的な天井やステンドグラスといった内装もできる限り保存する方針だ。 大丸心斎橋店は本館で扱っていた人気ブランドを北館に移すなど、営業継続に向けて準備してきた。担当者は「売り場面積は圧縮されるが中身は濃くして売り上げ減を抑えたい」という。