読んだ本について書く場合、いろんなスタンスがあります。 「感想」「書評」「ブックレビュー」、この3つの書き方は、それぞれ違うのです。 【感想】 「感想」は、自分が読んだ本について、忘れないためのメモという性質があり、感想を書くことで、自分で確認する意味が強いかと思います。つまり、メインの読者は自分自身なのです。 【書評】 「書評」は、その本を正当に評価するという社会的な意味がまずあります。 朝日新聞の論説主幹であった笠信太郎(りゅう しんたろう)氏が、書評について、以下のように定義していることに注目してください。 さきに読んだものが、まだその本をよんでいないものに話してきかせることである。 さすが、ものの見事な定義ですね。この定義を読んでわかるのは、書評のメインの読者は「まだその本をよんでいないもの」だということ。書評は、自分に向かって書くものではないのです。 著者と評者との対話ではなく、