足白癬の治療は外用薬が中心となる。ただ、外用薬の治療期間は1年と長く、治癒率も20%程度。途中で治療をやめてしまう患者も多く、常深教授は「最終的な治癒率は数%しかない」と指摘する。爪白癬も爪の表皮や先端部にとどまっていれば塗り薬で治療できる。しかし、爪の裏側などに深く入り込んでいたりすると塗り薬は届かないため、血液を通じて病変部に薬を届ける内服薬(飲み薬)でないと完治しない。 かつての内服薬は半年程度の投与期間が必要だったが、2018年に出た新薬は投与期間が3カ月と短い。また、常深教授は「内服薬は肝臓が悪いと飲めないと思われているが、肝硬変といった重い肝臓疾患でない限り、ほとんどの人が服用できる」と強調し、内服薬を通じた完治を訴えた。(解説委員・舟橋良治)