ながお たかし 1951年、香川県生れ。75年、大阪大学基礎工学部生物工学科卒業。77年北海道大学理学部動物学教室教務職員、81年同大実験生物センター助手、助教授、94年金沢工業大学人間情報システム研究所助教授兼科学技術振興事業団の独創的個人研究育成事業「さきがけ研究21」研究員を経て、2000年より現職。共著に『昆虫の脳を探る』(共立出版)、『環境昆虫学』(東京大学出版会)、『バイオミメティックスハンドブック』(エヌティーエス)など。 コオロギと付き合って25年。生物はもともとは嫌いでした──先生はコオロギを25年にわたり飼育され、ご研究されていると伺っております。本日はいろいろとお話を伺いたいと思いますが、そもそもなぜコオロギを研究されるようになったのですか? 長尾 コオロギの研究をしているというと、よく「昆虫少年だったのですか?」と聞かれますが、実は生物には興味がなかった、というより