ガラスにシリコーン樹脂の撥水剤を利用するのは、共にケイ素が主成分のため、相性がいいから。ワイパーでこすっても落ちにくい。 ここで、ガラスに吹きかけたシリコーン樹脂の撥水性の仕組みをミクロに見てみよう。撥水剤をスプレーすると、ガラスと相性のいいシリコーン樹脂の分子はきれいに表面を覆い、水分子が入り込みにくくなる。さらに、ガラスと相性のいいシリコーン樹脂の分子はガラスから剥がれにくい。これが分子の世界で見た撥水性の秘密である。 ちなみに、ケイ素のことを英語で「シリコン(silicon)」という。実はこれ、その有機化合物である「シリコーン(silicone)」とは異なるものなのだが、マスコミなどでは後者も「シリコン」と書き表すことがあるようだ。 「撥水」と「防水」 なお、「撥水」に似た言葉に「防水」がある。撥水は水をはじくだけだが、防水は水を通さないことを意味する。防水加工された衣類が蒸れやすい