二十年とかもっと前のことですが、僕は次のような発言(つっても単なるオシャベリ)をしたことがあります。 九州の人って髭が濃いよね。 なんでそんなことを今でも憶えているかというと、言った直後に「あー、自分は間違ったことを言ってるな」と意識し、その瞬間の印象が強く残ったのです。間違った推論について考えるとき、最初に思い起こす実例なのです。 僕が「九州の人って髭が濃いよね」と言った根拠は: 知り合いのAは、福岡県出身で髭が濃い。 知り合いのBは、大分県出身で髭が濃い。 この2つの事実です。 少数事例から一般法則を導く -- こういうタイプの認識とか推論は、僕だけじゃなくて多くの人が行います。古典論理の立場からいうと「間違い」なんですが、多くの人が使っているし、それが通用する場面もあるということは、人間にとってなにかしらの「自然さ」があるように思えます。 「自然だ」とは、このテの認識/推論による言明