八方ふさがりの現状は、政治や社会制度と関係があると思うかと尋ねると、こんな答えが返ってきた。 「選挙はだいたい行きます。死にたいという気持ちが高まっているときは自民党に入れます。(現在のような政策が続けば)私のような役立たずはいずれホームレスになって野垂れ死ぬことができる、それを期待して投票します」 ずいぶん極端な主張だが、ジュンさんなりの社会への不満の訴えなのかもしれない。 私が取材で札幌を訪れたのは数年ぶりだった。市内中心部にある百貨店を通り過ぎたとき、そこは前回以上に中国人や韓国人の観光客でにぎわっていた。手取り額10万円では、ここにあるブランド品や高級品には縁がないだろうな。低賃金労働者ばかり増やして、国内の個人消費が伸び悩むのは当然だろう――。 簡単に「死」を口にするのだが… そんなことを考えていたとき、ジュンさんの働かされ方に目立った違法性がないことに思い至り、がく然とした。彼
![27歳「派遣プログラマー」が貧困に苦しむ事情](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/aae41fee7337b7f32e4f73a95b69669481e355d6/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ftk.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F9%2F1%2F1200w%2Fimg_91fc09aa076f84b0d37b64298cdbf458103637.jpg)