電車内で痴漢行為を目撃したら、あなたはどうするだろう? 女性を助け加害男性を駅員に突き出す人、見て見ぬふりを決め込む人。中には、被害女性を見て「あんなに短いスカートを履いているんだから、自業自得だ」とまゆをひそめる人もいるかもしれない。しかし、こう考える人もいるのだという。 「自分も、痴漢をやってみよう」 精神保健福祉士で社会福祉士の斉藤章佳氏は、痴漢の実態を日本で最もよく知るひとりだ。彼が勤める東京・榎本クリニックでは、10年前から性犯罪加害者が社会で更生するためのプログラムを日本で初めて実践している。これまで多くの性犯罪者の治療に携わってきたが、その約半数を痴漢が占めている。 痴漢は未然に防ぐことが難しい 「その目的は、まず第一に再犯防止(リスクマネジメント)です。痴漢にかぎらず性犯罪は、家族など身近な人でも“彼は痴漢をしているのでは”と気づくことは滅多になく、未然に防ぐことが難しいの
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