<ここ20年以上、イギリスの住宅価格は信じられないほどに上がり続け、新たに家を購入するのは日々難しくなっている。単なる経済格差だけではなく世代間格差も発生し、社会の分断の原因に> イギリスのトニー・ブレア首相(当時)はかつて、政権の優先事項は「教育、教育、教育だ」と言った。くどい言い回しにはイラついたが、彼の意図するところは理解できた。教育の向上はおおむね全てのイギリス人が支持する政策であり、票を稼げるのだ。さて、ブレアっぽいと思われるのを承知で言うなら、現在イギリスが直面する最大の社会的問題は、「住宅、住宅、住宅だ」。 イギリスはここ20年以上「住宅危機」の渦中にあり、改善することは一度もなく悪化する一方に見える。住宅価格は信じられないほどに上がったから、ついに限界点に達したに違いないと思ったことが2度もあった。そんな僕の考えは誤っていただけでなく、とんでもない誤りだった。過去1年だけで