川崎市は4日、市内の主要駅や区役所周辺などの電柱をなくす方針(案)を発表した。良好な市街地景観の形成や防災対策を図るのが狙い。重点的に整備を進めるエリアを限定し、効率的な無電柱化をめざすという。 川崎は低い水準 市では81年からJR川崎駅を中心に電線を地中に埋め込み、無電柱化を進めてきた。86年には「第1期無電柱化推進計画」を策定し、09年の第6期計画まで整備を進めてきた経緯がある。 ただ、市内の幹線道路129キロメートルのうち、これまでに無電柱化が進んだのはわずか11%の14キロメートルという。全国の無電柱化率8%を上回るものの、ロンドンやパリは100%、ニューヨークは72%、東京23区は30%で、世界の都市と比較して低い水準となっている。 電柱は街並みの景観破壊の要因となるだけでなく、阪神・淡路大震災では倒れた電柱が道路をふさいで消火や救助活動を遅らせるケースが相次ぎ、防災対策上の課題