はじめに 小針日見宏著「確率・統計入門」1973岩波書店 「正規分布のことを、別名ガウス分布とも呼ぶが、ガウスは測量の仕事を長年やっている間に、球面幾何学と誤差の分布についての理論を作り上げたと伝えられている。整数論を本来の志としていた代数学者がガウスがこれである。大いに見習いたいものではないか。」(p.117) かねてから、ガウスがどうしてあの正規分布の確率密度関数をみつけたのか興味を持っていた。 二項分布から導くのが一般的である。ただし、高等学校の指導要領にはこの導出はない。 教える側としては、一応マスターしておかなければならない事項だが、これとは別に、エントロピーを最大にする分布が正規分布であることが知られている。 かつて、私が卒業論文で情報理論を取り上げたが、その折に触れた事項でもある。今から四十年も昔のことで、いわゆる「60年安保」時代のことであった。今この卒論を読み返してみて、