「地方紙と首長と議会のなれ合いは、徳島だけじゃなく全国的な地方政治の劣化の問題です」 後藤田正純インタビュー/上 木下ちがや 政治学者 第2次安倍政権末期から、各地で保守分裂選挙が勃発している。とりわけ野党勢力が比較的弱い西日本地域では、島根、福岡、福井そして徳島の知事選で保守系が分裂した。他方で東北地方や沖縄のように、保守層の一部が野党側にまわり野党共闘を進化させているケースもある。茨城県の保守系代議士中村喜四郎氏の立憲民主党への入党は、旧来型の保革対立から、新たな日本社会の状況にあわせた政治的対立軸が生まれつつあることを示している。いまたたかわれている名古屋市長選もまた、従来の保革対立の枠組みでははかれない展開を見せている。 徳島はこの保守分裂の流れを象徴する県である。知事選、各市町長選では知事派の保守系と、反知事派の保守系に同伴した国政野党や市民運動との争いがここ数年続いている。この