少し前であるが、日銀総裁の退職金は5億円で自分で金額を決めているという話があった。ある外資系エコノミストから出た話である。外資系ならありえるかもしれないが、さすがに5億円は間違いだろう。 そう思って調べると、総裁の退職金規定が日銀のホームページに書かれていた。それによれば、〈退職金額=役員俸給×125/1000×在職月数×業績勘案率(0・0~2・0)〉。これに基づいて退職金を試算してみると、600万~3000万円だが、ポイントは、業績勘案率がいくつかということになる。前任の福井俊彦氏の場合、業績勘案率が1・5で、退職金は2491万円だった。 業績勘案率は業績評価委員会が決めることになっているが、委員会のメンバーは現に在任する審議委員。つまり政策決定会合の身内が決める仕組みである。もちろん形式的には外部の有識者をメンバーとすることはできるが、あくまで委員の過半数が必要と認めた場合である。