ハズルンド著 内藤岩雄訳「蒙古の旅 上巻」(岩波新書 1942)より: …ポルタヴァ(注1)における敗戦の後、ロシアの捕虜となったスウェーデン人の中に、レナトという若者があった。 レナトはドイツから来たユダヤ人移民の家族に属していたが、彼は他のユダヤ人と共に1681年9月29日、ストックホルムのドイツ教会で洗礼を受けた。父のモーゼス・ヤコブはスウェーデン人となり、かつグスタフ・ミカエル・レナトゥスという名でキリスト教徒となった。そして移住したために貧困になったこの家族は、市庁と政府に対して根気よく請願したお陰で、次第にストックホルムで相当に繁栄するようになった。 息子のヨハン・グスタフ・レナトは18歳の時砲兵に応募し、ナルヴァ、ディーナ及びポルタヴァで転戦した。そして他の捕虜と共に1711年に、トボルスク(注2)に収容せられた。 ポルタヴァの捕虜の中に、後にレナトと同様の残酷な運命を分かつ
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