山梨県立増穂商高(増穂町最勝寺、久津川孝校長)が授業料などを滞納した昨年度と今年度の卒業生2人から、一度手渡した卒業証書を回収していたことが7日、県教委への取材で分かった。久津川校長は「教育的指導の一環。滞納は本人の問題ではないが、高校生になれば家庭の事情も理解しないといけない」と説明している。 県教委と同高によると、2人は卒業に必要な単位を取得していたが、年間11万8800円の授業料の一部と諸経費を滞納していた。卒業証書の回収について、同高は卒業生と保護者の了解を事前に得ていたといい、ホームルームで卒業証書を手渡した後、「同級生の目につかないよう」(同高)に配慮して本人に返却させたという。卒業後に滞納分を納めた昨年度の卒業生には卒業証書を渡した。 県教委が作成した授業料滞納の対応の手引きには、卒業証書の回収について記載はなく、回収は同高のみで「他の県立高校はやっていない」(県教委)と