日本の沿岸に大量に押し寄せ問題になっているエチゼンクラゲを使った緑化技術が成果を上げている。ただ、成果に注目し助成費を出しているのは韓国。この技術を用いて、途上国を支援し影響力を及ぼそうと考えているようだ。日本の研究者らは、国内での関心や支援の低さを懸念している。(天野健作) エチゼンクラゲは産卵地である黄海沿岸の富栄養化や地球温暖化で近年、日本海を中心に大量発生し、漁網を破るなど被害が深刻になっている。 愛媛大の江崎次夫教授(環境緑化工学)ら研究グループは、エチゼンクラゲの体組織が、地中で分解され環境に優しいことに着目。植物の肥料となる窒素やリンも大量に含み、保湿効果の高いコラーゲンが乾燥地域では水分をためるため、周囲の植物の生育に役立つことも突き止めた。 研究グループでは、エチゼンクラゲから塩分を抜き、乾燥させ、細かく裁断したものを、愛媛県の山火事跡地など3カ所にまいたうえで経過を観察