いま国民の最大の関心事であり、国際社会が日本の原発の安全性を判断する基準として注目するのが福島第1原発(1F)の汚染水処理だ。 日々約400トン増える汚染水はタンク930基で33万トン規模に膨らんだ。タンクから汚染水が漏れ出し、汚染水の発生自体も止められないでいるのが現状だ。汚染水処理と汚染の発生を止めるという重要な2つの課題への取り組みで最も大事なことは、科学の視点だが、原子力規制委員会の田中俊一委員長は7月24日、こう述べた。 「多少なりとも放射能を含んだ水は排水しないと、1Fの始末はできない」「いろんな形で除染するとき、必ず汚染水が出る。排水基準以下になったものをある程度排出することは多分避けられない」 汚染水は海に流さないとの前提に立つ現在の対策の変更を示唆する発言に続いて「いまのレベルの濃度で出ているというか、定常状態でもかなり出ているところもある。施設によっては、日本だけでなく