「自分は(世の中から)必要とされていない。それならいっそ、これで終わりにしたいとずっと自殺のことを考えていました」 現在NPO法人のスタッフとして働く男性(25)が重い口を開いた。男性は2年前に大学を卒業したが、就職先は見つからなかった。「何社にエントリーしても、その都度だめで、だんだん気分がめいってしまった」と振り返る。 大学を卒業してからもアルバイトに出かけていたが、“普通の会社員”が働いている時間に出歩くと「あの子、就職できなかったんじゃないの」という目で、周囲から見られているような気がしてきた。世間の目が煩わしくなり、「ほぼ引きこもり状態だった」という。親の言うことにもいらだちを感じ、もやもやした思いを相談する相手はいなかった。「自殺」の文字が絶えず頭をかすめた。◇ 長引く景気の低迷による就職難が、若者の命を脅かしている。「健康問題」や「家庭問題」など、複数の要因が重なり自殺に至る