今回の話題は米アーケテス・パワー社の「対向ピストンエンジン」。1つのシリンダー内で2つのピストンが向かい合わせて動くのが特徴。50%を超える高い熱効率を実現する 前回のこのコラムで、日産のバイオ燃料を使った燃料電池車について取り上げた。そしてそのとき、燃料電池車が普及するかどうかは、最終的にエンジンとの効率競争で決まると書いた。燃料電池車の総合効率(燃料の製造段階から車両での消費段階までを考慮した全体の効率)を考えると、おおざっぱに言って、燃料である水素の製造段階の効率が70%程度(最も低コストな天然ガスから製造する場合)、車両の効率が60%程度なので、0.7×0.6で約4割程度になる。一方で、軽油やガソリンなどの燃料の製造段階での効率は85%程度だから、車両での効率が50%程度あれば、燃料電池車とほぼ同等の総合効率が実現できる。 現在、トヨタのハイブリッド車「プリウス」のガソリンエンジン
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