先週から始まった世界同時株安に対して、FOMC(米連邦公開市場委員会)は9日、実質的なゼロ金利政策を2013年なかばまで続けるという声明を出した。これは現在0~0.25%に誘導している政策金利を無条件に2年間続けるという異例の政策で、3人の理事が反対するというFRBのバーナンキ議長にとって初の事態になった。 金融調節を任務とするFRB(連邦準備制度理事会)が、向こう2年間は金利を上げないと宣言するのは奇妙だが、これには先輩がいる。日本銀行は1999年から始まったゼロ金利政策の中で「物価上昇率が安定的にゼロ以上になるまでゼロ金利を維持する」という方針をとった。これが時間軸政策といわれるものだ。日銀の白川総裁も10日の国会で「FRBの政策は日銀と非常に近いという印象をもっている」と語った。 中央銀行が「金利を上げない」と約束することは通常はありえないが、アメリカの政策金利は2008年12月に実