富士フイルムは14日、新型コロナウイルス感染症の治療薬として承認を目指していた「アビガン」の開発を中止したと発表した。患者への臨床試験で、有効性が確認できなかった。重症化率が低いオミクロン株の流行といった環境の変化も踏まえて判断した。 昨年4月、患者316人を目標に臨床試験を始めたが、今年3月までに84人の患者を受け入れ、試験を終えていた。 アビガンは子会社の富士フイルム富山化学(東京)が抗インフルエンザウイルス薬として開発。新型コロナの治療候補薬として厚生労働省に承認申請していた。コロナ向けの開発中止を受け、申請を取り下げる。