最高裁が4月27日、事実誤認があるとして1審の無期懲役と2審の死刑判決を破棄し、大阪地裁に審理を差し戻した大阪市平野区の母子殺害放火事件。被告の主任弁護人を務める後藤貞人弁護士(63)、大阪弁護士会=は「大阪の刑事弁護の第一人者」といわれる。タレント・羽賀研二や検察批判を展開する三井環・元大阪高検公安部長らの弁護も担当。そのミラクルな実力ぶりは−。 後藤氏は1969年、大阪大法学部を卒業。75年に司法修習(27期)を終え、弁護士登録した。約3600人が登録する大阪弁護士会の中でも、「刑事弁護を専門とする数少ない弁護士」(司法関係者)だ。 これまでに、銃刀法違反罪に問われた指定暴力団山口組の元若頭補佐、滝沢孝被告の裁判=1、2審無罪=や、牛肉偽装事件で詐欺などの罪に問われている浅田満被告の控訴審、収賄などの罪に問われた三井氏の裁判など著名事件の弁護を数多く担当。法廷取材が長いベテラン記者