シャープは21日、パソコン事業からの撤退を明らかにした。液晶技術を画面に生かしたノート型パソコン「メビウス」で人気を集めたが、ライバルメーカーとの競合による価格下落で収益が見込めないと判断し、昨年末で生産を打ち切った。今後は電子書籍対応の携帯端末「GALAPAGOS(ガラパゴス)」や多機能携帯電話(スマートフォン)の販売とコンテンツ配信に特化し、国内や中国など新興国でのシェア獲得につなげる。 シャープは78年にパソコン事業に参入。90年にハードディスク内蔵では当時世界最小・最軽量のノート型パソコン「オールインノート」を発売した。95年には高精細液晶と長時間持続バッテリーの便利さを前面に出したメビウスブランドを投入し、ビジネスマンの人気を得た。しかし、ソニー「バイオ」やパナソニック「レッツノート」など競合ブランドとの差別化が難しくなり、近年は主力商品の座を液晶テレビや携帯電話に譲っていた。【