旧日本海軍の戦艦「大和」が、広島県の呉市で建造されたことはよく知られています。これを建造した巨大施設の一部は2019年のいまも現存し、在りし日の「大和」の大きさを想像させてくれます。 【写真】水槽における実際の試験の様子 一方、東京の目黒区にも「大和」建造に関わった“かもしれない”巨大施設があります。航空写真で見ると、JR恵比寿駅から南西部にひときわ目立つ細長い屋根の大きな建築物があるのがわかりますが、これは防衛装備庁艦艇装備研究所の「大水槽棟」で、かつて同じ場所に海軍技術研究所が置かれていたころからある施設です。艦船模型を実際に水槽に入れて走らせ、流体力学的な性能評価を実施しています。 敷地の入り口から大水槽棟を見ても、ちょっと大きな工場か体育館ぐらいにしか見えません。しかし中に入ると、その奥行きに圧倒されます。屋内の水槽は長さ247m、幅12.5m、深さ7mの大きさがあり、最大速度8m